世界最古の義歯
掲載日 : 2016.05.26
歯科技工関係の文献ではたびたび取り上げられているのですが、有床義歯(総入れ歯)の分野において世界最古といわれているのは日本で、木床義歯というものがあります。(検索すれば画像を見ることができます。)
これはまだゴムの生成が難しかった時代に、軽くて水を吸いにくく丈夫な材料が木しかなかったため、これを用いて義歯が作られていたそうです。
内面の調整も蜜蝋から採った型を参考に手探りで行っていたらしく、それを考えると恐ろしい作業だなとつくづく思います・・・。(事実一部がオーパーツ化しているところもあるようです。)
ただ出来上がった内面などは非常に精巧にできており、印象後のような内面の仕上がりに驚かされます。
一方この時代西洋ではスプリング義歯と呼ばれるものが使用されていたそうで、吸着という概念が発見されるまでに時間がかかったようです。
このようにたまには歯科技工の歴史を調べてみるのも良いですよ!
息抜き程度に普段気にしていないところを遡ってみると、色々な発見があるかもしれませんね。
歯科技工士科専任教員 さわお